バイセルの650店舗構想、買取FCの新規参入を巡り慎重論
バイセルの全国FC募集と2027年末までのグループ650店舗構想を巡り、開業支援の動画で慎重な見方が示された。拡大計画と個店の事業性を分けて検討する視点が問われる。
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買取専門店「バイセル」の全国でのフランチャイズ(FC)新規募集を巡り、新規参入に慎重な見方が示されている。2026年10月7日のライブドアニュースは、「ひとり開業チャンネル / by Build’s」の松原氏による解説動画を紹介した。焦点となったのは、2027年末までにグループ650店舗体制を目指す構想と、これから買取店舗を開く事業者の競争環境だ。
650店舗構想と加盟希望者の判断
同記事によると、バイセルは2027年末までにグループで650店舗体制を目指している。松原氏の動画は、バイセルによる全国でのFC新規募集を取り上げ、店舗網の拡大が進む中での開業判断について論じたものだ。
ここで区別したいのは、650店舗という数字がグループ全体の目標であることだ。650店舗すべてを新規のFC加盟店で開設するという意味ではなく、現時点で達成済みの店舗数でもない。加盟を検討する際には、グループの規模を示す数字と、自分が出店する地域での事業計画を分けて読む必要がある。
今回の記事は、企業の拡大構想を伝えるだけでなく、それを外部の開業支援の発信者がどう評価したかを紹介している。そのため、構想そのものと松原氏の見解を混同せずに把握することが、フランチャイズ・コミュニティにとって重要になる。
既存オーナーとブランド活用にも言及
松原氏は動画で、バイセルがもともと出張訪問買取を中心としており、顧客の大半は60代以上だと説明した。これは同氏による事業特性の説明であり、記事内で新たな顧客調査の結果が示されたものではない。
また、投資ファンドのミダスキャピタルによる買取店「WAKABA」の買収と、その後のバイセルテクノロジーズへの取り込みにも触れた。その流れについて、既存のWAKABAのFCオーナーがバイセルの看板を利用する方向にあるとの見方を述べている。
こうした説明から読み取れる論点は、店舗網の拡大を、新しい加盟者の募集だけで捉えないことだ。既存オーナーによるブランド活用と、新規加盟者による開業は、検討すべき前提が異なる。既存店にはすでに営業の実績がある一方、新たに開業を目指す人は、自分の条件で計画を組み立てる必要がある。
ただし、松原氏の説明は、個々のWAKABA加盟店の看板変更や契約条件を確定するものではない。ブランド名の利用や既存店舗との関係を知りたい加盟希望者は、自分に適用される募集条件と契約内容を本部に確認することが先決だ。
競争への警戒は外部からの評価
松原氏が新規参入に慎重な理由として挙げたのは、買取店舗の競争の激しさだ。同氏は競合の「買取大吉」が多額の広告費を投じていると述べ、店舗数や広告を巡る競争に警戒感を示した。記事では、買取FCへの参入について「僕は絶対反対です。勝てる気がしない」と語ったことも紹介されている。
一方、これは松原氏個人の評価であり、すべての買取FCの採算性を検証した結論ではない。記事に具体的な広告費の比較額や、地域別の店舗密度、加盟店の利益率が示されているわけではないため、この発言だけから個別店舗の成否を判断することはできない。
同氏はさらに、バイセルが店舗展開で買取大吉と正面から競う意図はないのではないか、と推測した。この点も企業が公表した方針ではなく、動画内で示された独自の見解として扱うべきだ。
フランチャイズ・コミュニティでこうした議論を受け止める際は、強い賛否の表現より、その判断の根拠に注目したい。競合の多さを指摘する意見は出店検討のきっかけになるが、具体的な候補地の条件や収支を確認する作業に代わるものではない。反対に、グループの成長目標も、個々の加盟店の利益を保証する数字ではない。
店舗型と訪問型を分けて検討する
動画の最後に松原氏は、対人コミュニケーションが苦にならず、意欲を持って取り組める人であれば、店舗型よりも訪問買取に余地があるとの考えを示した。顧客との対話を通じて買取につなげる働き方に可能性を見いだした発言だ。
この提言も、訪問型の収益が店舗型を上回ると実証したものではない。店舗で来客を待つ形と、顧客を訪ねる形を比較する場合には、集客方法、日々の業務、自分が担う営業活動をそれぞれ具体化して検討したい。今回の発言は、ブランドを選ぶ前に、自分がどのような働き方で事業を運営したいのかを考える材料になる。
バイセルの650店舗構想を巡る今回の議論は、拡大を目指す本部の計画と、新規加盟者の開業判断が同じではないことを示している。外部の慎重論をそのまま結論にするのでも、規模の大きさだけで参入を決めるのでもなく、自分の候補地と運営条件に引き寄せて確認する姿勢が求められる。
実務上の要点は、加盟相談の際に、候補商圏の既存店・競合店、本部が担う集客支援、加盟者の営業上の役割、収支計画の前提を具体的に尋ねることだ。拡大目標と個店の事業性を切り分け、契約条件と数字を確かめてから判断したい。



