サイプレスHD、2027年8月期にFC10店舗・10社加盟を目標 銀座惣菜店で契約実績
サイプレス・ホールディングスは2027年8月期、FCで10店舗の出店と10社の加盟契約を目指す。銀座惣菜店の第1号加盟契約を足掛かりに、出店拡大と運営体制の整備を進める。
公開日

サイプレス・ホールディングスは10月7日、2027年8月期の連結業績予想を発表し、フランチャイズ(FC)事業で10店舗の出店と10社の加盟契約を目指す方針を示した。前期には炭火焼鳥「銀座惣菜店」で第1号加盟契約を締結。新たな中期経営計画の初年度に、加盟企業との協力による店舗展開を進める。
FC出店と加盟契約に、それぞれ数値目標
同社が2027年8月期のFC事業で掲げるのは、「10店舗の出店」と「10社の加盟契約」という二つの目標だ。新しい店舗の開業だけでなく、運営を担う加盟企業との契約にも数値目標を置いている。
この動きに先立ち、2026年8月期には「銀座惣菜店」で、メガフランチャイジーの有限会社寿奈賀との第1号加盟契約を締結した。同社にとって、前期は中食やFCを含む事業の多角化が進んだ期間だった。今期はその契約実績に続き、FCの出店と加盟企業の拡大を目指す。
日本のフランチャイズコミュニティにとって注目点となるのは、本部側が加盟契約の拡大と実際の開業を並行して計画していることだ。ただし、出店数と加盟契約社数は異なる指標である。両方が10という目標でも、各社が同じ期に必ず1店舗ずつ開業するという意味にはならない。今後の進捗を見る際には、契約と開業を分けて確認したい。
また、今回示された10店舗と10社は、いずれも今期の目標だ。前期に締結した第1号加盟契約という実績と、これから実現を目指す計画を区別することが、展開の状況を把握するうえで重要になる。
年間30店舗の新規出店計画、22店舗が確定
同社は2027年8月期の年間新規出店計画として30店舗を掲げ、このうち10店舗をロードサイドで計画している。発表時点では22店舗の出店が確定しているとした。FC事業の目標とともに、店舗網の拡大を成長施策に据える。
前期の2026年8月期には、期初に計画していた10店舗を上回る18店舗を新規出店した。期末の店舗数は137店舗で、期首から11店舗増加した。新規出店数は期間中に開業した店舗の数、期末店舗数の増加は店舗網全体の純増を示すため、両者を混同しない見方が必要だ。
新しい出店チャネルとしては、ロードサイド1号店の「築地食堂源ちゃん甲府店」を開設。同店はオープン以降、売上予算比130%超で推移した。今期のロードサイド10店舗という計画は、こうした新しい立地での出店実績に続くものとなる。
一方、甲府店の数値は同店の売上予算に対する実績であり、全店舗の成績やFC加盟店の収益を示すものではない。加盟を検討する企業は、個別店舗の好調さと、ブランド全体の出店計画をそれぞれ別の判断材料として扱う必要がある。
過去最高益を更新、今期も営業増益を予想
2026年8月期の連結売上収益は128.8億円で、前の期から14.1%増加した。営業利益は8.5億円で11.2%増、親会社の所有者に帰属する当期利益は7.7億円で75.8%増となり、各段階利益が過去最高を更新した。
既存店では価格改定が浸透し、売上高が前期比102.1%と予算を上回った。新規出店の拡大に加え、既存店の売上も前年を上回って推移したことになる。
ただし、当期利益の大幅な増加には、将来の業績見通しに基づく約2.3億円の繰延税金資産の追加計上が影響している。税効果の影響を除いた調整後当期利益は5.3億円で、前期比39.6%増に相当する。利益の伸びを確認する際は、税効果を含む当期利益と、調整後の数値を分けて読むことが適切だ。
2027年8月期の連結業績予想は、売上収益150.0億円、営業利益11.3億円。前期比では、それぞれ16.5%増、32.8%増を見込む。一方、親会社の所有者に帰属する当期利益は7.4億円で、3.5%減の予想とした。売上収益と営業利益は増加を見込むものの、最終利益については前期を下回る計画となっている。
これらはグループの連結業績であり、FC店舗単位の売上や利益ではない。本部の成長性を確認する材料にはなるが、加盟後の採算判断には、個別の店舗条件に沿った確認が別途必要になる。
出店と並行し、注文のデジタル化と採用を推進
同社は店舗数の拡大と並行して、タッチパネル注文の導入拡大など、既存店のデジタル化を進める方針だ。今期の施策には210名の社員採用も盛り込み、成長に向けた人員面の整備を図る。
さらに、専門部署「M&A戦略推進室」の設立を検討している。こちらは設立済みの組織ではなく、検討段階の施策となる。出店計画、既存店の運営改善、採用、専門部署の設立検討を組み合わせ、成長の速度を高める構えだ。
フランチャイズコミュニティから見ると、今後は加盟契約の件数だけでなく、契約した企業の店舗がいつ開業するのか、その運営をどのように支えるのかも確認点となる。今回の計画にあるデジタル化や社員採用についても、FC店舗への適用や支援内容は、加盟検討時に個別に確かめたい事項だ。
実務上の要点は、10店舗・10社という成長目標と、自社が担う店舗の事業計画を切り分けること。加盟を検討する際は、対象ブランド、出店条件、開業までの工程、本部の支援範囲を確認し、個店の採算に基づいて判断したい。



