ナック子会社がTEARのFCに加盟 既存顧客の終活相談を葬儀事業につなぐ
ナックライフパートナーズが葬儀会館「TEAR」のフランチャイズに新規加盟。リユース事業などで寄せられる終活相談を背景に、既存顧客との接点を生かして葬儀事業へ参入する。
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ティアは2026年10月21日、ナックの100%子会社であるナックライフパートナーズが、葬儀会館ブランド「TEAR(ティア)」のフランチャイズに新規加盟したと発表した。同社は今回の加盟を通じて葬儀事業に参入し、TEARブランドの会館運営を開始する。参入の背景には、既存事業の顧客から寄せられる終活や葬儀の相談がある。
加盟の起点は、既存顧客から寄せられた相談
ナックグループは、ダスキン事業、宅配水のクリクラ事業、住宅事業、リユース事業など、暮らしに密着したサービスを展開している。親会社のナックは東証プライム上場企業で、今回加盟したナックライフパートナーズはその完全子会社に当たる。
発表によると、ナックライフパートナーズでは、リユース事業などを通じた顧客との接点で、終活や葬儀について相談を受ける機会が増えていたという。今回の新規参入は、こうした既存事業で把握した相談に対応する事業展開として位置付けられる。
加盟判断の軸となったのは、グループが培ってきた地域密着型の顧客サービス力と店舗運営ノウハウだ。これらをティアの葬祭ノウハウと組み合わせることで、新たな事業を展開できると判断した。単に新しい看板を加えるのではなく、従来の顧客との関係を葬儀サービスへつなぐ方針が示されている。
「ティアの会」の案内と地域での接点づくり
加盟後は、ナックグループの既存事業の顧客に対し、会員システム「ティアの会」の案内を積極的に進める方針だ。これまで暮らしに関するサービスを提供してきた顧客との接点を、葬儀事業でも生かしていく。
あわせて、終活セミナーや地域イベントなどを通じて、地域との接点を広げる計画も示した。既存顧客への会員案内に加え、地域での活動を組み合わせ、既存事業との相乗効果を目指す。
ここで区別しておきたいのは、加盟という決定事項と、今後進める顧客向けの取り組みだ。会員案内の推進やセミナー、イベントを通じた接点の拡大は、今後の方針として説明されている。今回の発表は、これらの施策による集客や収益の成果を示すものではない。
新たな葬儀事業の特徴は、会館運営だけでなく、その手前にある終活の相談にも既存事業とのつながりがある点にある。顧客から相談を受ける機会が増えていたという背景と、会員案内や地域活動を進める方針が、今回の加盟を理解するうえでのポイントとなる。
地域での運営経験と葬祭の専門知識を組み合わせる
ティアはフランチャイズ加盟企業に対し、葬祭ノウハウ、人材育成、運営体制を提供している。ナックライフパートナーズは、自社グループの顧客サービスや店舗運営の経験と、この専門的な基盤を組み合わせて葬儀事業へ参入する。
今回の役割分担を見ると、加盟企業側が持ち込むのは地域との接点や既存事業で培った運営経験であり、本部側が提供するのは葬祭に関する知識や人材・運営面の支援だ。加盟の理由として説明されたのは、双方の強みを融合できるという判断だった。
日本のフランチャイズコミュニティにとっても、今回の動きは、既存事業で寄せられる顧客の相談を出発点にした新規参入の事例となる。加盟先のブランドだけでなく、自社が持つ顧客との関係や運営経験を、どのように新事業へ生かすかという視点が表れている。
会館網の拡大を、理念を共有するパートナーと進める
発表で示されたティアグループの規模は全国230会館で、年間の葬儀施行件数は2万6,000件を超える。「ティアの会」の累計会員数も57万人を超えている。これらはいずれもティア側の既存の事業基盤を示す数字であり、今回加盟したナックライフパートナーズ単独の実績ではない。
ティアは、理念を共有するパートナーとともにフランチャイズ網をさらに広げていく考えだ。ナックライフパートナーズの加盟は、その方針の下で、暮らしに関わる複数の事業を持つグループが新たに会館運営へ加わる動きとなる。
今回のニュースの焦点は、会館網の規模そのものよりも、既存顧客からの相談を加盟判断につなげた経緯にある。リユースなどの顧客接点、地域密着型のサービス、店舗運営の経験を土台に、葬祭の専門知識を取り入れる構図が示された。
実務上のポイント: 新規加盟を検討する企業は、既存顧客からどのような相談が寄せられているかを整理し、自社の運営経験で対応できる部分と、本部の専門支援が必要な部分を分けて確認したい。



