コンビニ9月既存店売上0.5%増 客数は15カ月連続減、非食品が下支え
2026年9月のコンビニ既存店売上高は前年同月比0.5%増。客数減が続く一方、客単価上昇と加熱式たばこの増税前需要などが売上を支えた。
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日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の2026年9月のコンビニエンスストア統計調査月報によると、既存店売上高は前年同月比0.5%増の9611億1700万円だった。売上は3カ月連続で前年を上回ったものの、来店客数は15カ月連続の減少となった。フランチャイズコミュニティの店舗運営を考えるうえで、売上の伸びと来店動向を分けて捉えたい結果だ。
売上は微増、客数減と客単価上昇が並行
10月20日付の流通ニュースが伝えた同月報では、9月の既存店来店客数は12億4819万5000人で、前年同月比3.8%減だった。一方、平均客単価は770.0円と4.4%上昇した。客単価の上昇が、客数減少を補う形で売上高を支えている。
既存店の主要指標をまとめると、次のようになる。
- 売上高:9611億1700万円、前年同月比0.5%増
- 来店客数:12億4819万5000人、同3.8%減
- 平均客単価:770.0円、同4.4%増
継続期間にも違いがある。既存店売上高のプラスは3カ月連続だが、客数のマイナスは15カ月連続。客単価は21カ月連続で前年を上回った。9月の売上増だけを見て、来店が回復したと判断することはできない。
また、平均客単価の上昇率は、そのまま商品の値上げ率を示すものではない。この統計で確認できるのは、来店客数に対する売上の平均が上昇したという点だ。商品ごとの価格や購入点数の変化を分けた説明は示されておらず、店舗の販売施策に結び付けるには、自店の購買内容との照合が必要になる。
増税前のたばこ需要と非食品の伸び
9月の販売動向では、10月の加熱式たばこの増税に伴う駆け込み需要があった。加えて、揚げ物、デザート、菓子、玩具、雨具が好調に推移したと報告されている。食品だけでなく、非食品にも売上を支える動きが見られた。
既存店の商品別売上高は、非食品が前年同月比8.7%増だった。一方、日配食品は0.7%減、加工食品は4.8%減、サービスは14.0%減となり、大分類では非食品のみが前年を上回った。
売上構成比は、日配食品35.0%、加工食品27.0%、非食品34.2%、サービス3.8%。非食品は全体の約3分の1を占め、日配食品に近い規模となっている。9月の既存店売上が微増だった背景を読む際には、この構成と非食品の伸びを併せて見る必要がある。
ただし、非食品の伸び全体を加熱式たばこの駆け込み需要だけで説明することはできない。公表された数値には、たばこ単独の売上増加額や、全体の増収に対する寄与額は示されていないためだ。増税前という時期に結び付く需要と、その他の商品の好調を区別して捉えることが重要になる。
揚げ物やデザート、菓子が好調だった一方で、日配食品と加工食品の大分類は前年割れだった点にも注意したい。一部の好調商品と、分類全体の増減は必ずしも一致しない。売れ筋商品の動きだけで食品全体の販売状況を判断しないことが、数字を読み解くうえでのポイントだ。
全店売上は19カ月連続増、店舗数は5万6208店
全店ベースの売上高は9995億800万円で、前年同月比0.4%増だった。店舗数は5万6208店と0.5%増加している。全店売上高は19カ月連続で前年を上回った。
一方、全店の来店客数は13億959万1000人で3.6%減、平均客単価は763.2円で4.2%増だった。全店でも、客数が減少する一方で客単価が上昇するという、既存店と同じ方向の動きが確認できる。
全店客数の前年割れは4カ月連続、客単価の上昇は21カ月連続となった。店舗数と全店売上高がともに増えていても、来店客数の合計が増えているわけではない。店舗網の規模と、顧客の来店動向は別の指標として確認する必要がある。
今回の調査対象は、JFA正会員のコンビニエンスストア本部7社。セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、山崎製パンデイリーヤマザキ事業統括本部、ローソンが含まれる。
数値は7社を対象にした集計であり、個別ブランドや地域、加盟店ごとの状況を表すものではない。また、今回伝えられた集計には加盟店と直営店を分けた実績はない。フランチャイズ加盟店の経営状況を確認する際は、全国の販売傾向を把握するための比較材料として扱うのが適切だ。
加盟店は売上の内訳と増税後の動きを確認
9月の結果から読み取れるのは、売上の前年比プラスと、来店客数の回復が別の動きになっていることだ。加えて、増税前の駆け込み需要があったため、9月の販売水準がそのまま翌月以降も続くと考えることは避けたい。増税後の需要については、今後の実績で確認する必要がある。
加盟店が自店の状況を点検する際には、まず売上高、客数、客単価を分け、次に商品分類ごとの増減を確認する方法が考えられる。特に、たばこを含む非食品の動きと、食品の販売実績を分ければ、全国集計との共通点や違いを整理しやすい。
なお、この月報の売上指標だけでは、利益の増減までは判断できない。仕入れや人件費などの費用、商品構成による収益の違いは、自店の経営数値で別途確認する必要がある。本部と加盟店が実績を共有する際にも、売上増をそのまま収益改善と捉えないことが大切だ。
実務上の要点は、9月の増収を一括りにせず、客数・客単価・商品構成に分けて振り返ること。増税前需要を切り分け、増税後の販売実績と比較することが、次の発注や販促を検討する出発点になる。



