CCC、タイでTSUTAYAのFC展開へ 11月14日にバンコク1号店
CCCはタイで「TSUTAYA BOOKSTORE」のフランチャイズ展開を11月に開始すると発表。CCCと双日のマレーシア合弁会社がFCを管理し、現地書店チェーンが運営する。
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カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC、横浜市西区)は2026年10月26日、タイで「TSUTAYA BOOKSTORE」のフランチャイズ(FC)展開を11月に始めると発表した。1号店は11月14日、バンコク中心部の大型複合施設「ワン・バンコク」内に開業する。日本のアニメや漫画を通じた市場開拓と、現地書店チェーンとの役割分担が、日本のフランチャイズコミュニティにとって注目点となる。
バンコク中心部に1号店、現地書店チェーンが運営
神奈川新聞の10月26日付報道によると、タイでのFC展開は、CCCと双日のマレーシアの合弁会社が管理を担い、タイの書店チェーン「アジア・ブックス」が店舗を運営する。日本のブランドを、合弁会社によるFC管理と現地企業による店舗運営を組み合わせて展開する形だ。
開業予定地のワン・バンコクは、バンコク中心部の大型複合施設。今回の発表では、タイでのFC展開開始と、その最初の店舗の開業日、立地、運営主体が示された。複数の企業が関わる計画であるだけに、ブランドを展開する主体と実際に店舗を動かす主体を分けて捉えることが重要になる。
また、今回のニュースは、すでに営業している店舗の実績発表ではなく、11月の事業開始に向けた発表だ。開業予定と開業後の成果は区別して見る必要がある。まずは11月14日の1号店開業が、タイでの取り組みの具体的な節目となる。
日本のアニメや漫画を市場開拓の軸に
CCCがタイでの市場開拓に掲げるのは、人気の日本のアニメや漫画だ。日本のコンテンツを入り口として、新しい市場で書店ブランドを展開する方針を示している。
CCCの高橋誉則社長兼最高経営責任者(CEO)は、「店舗数拡大を求めるだけでなく、日本文化を届ける拠点にしたい」と述べた。店舗網の拡大に加え、日本文化を届ける場所としての役割を重視する考えだ。
この発言は、今回の出店計画を読み解くうえで重要になる。出店数だけを追うのではなく、どのような内容を顧客に届ける店舗なのかというブランドの目的が示されているためだ。アニメや漫画を軸にするという市場開拓の方針も、この文化発信の考えと合わせて捉えられる。
ただし、文化発信という目的と、個別店舗の営業成果は別のものだ。日本のフランチャイズコミュニティが今回の事例を参考にする際も、発表された方針を、そのまま集客や収益の実績として扱わないことが大切になる。開業後にどのような取り組みや成果が示されるかは、今後確認する事項だ。
アジアでの店舗展開にタイを加える
CCCはすでに、中国、台湾、カンボジア、マレーシアで「TSUTAYA BOOKSTORE」や蔦屋書店を展開している。これらの海外展開では、書店とカフェを組み合わせた滞在型店舗を打ち出してきた。
今回のタイ進出は、こうしたアジアでの取り組みに新たな市場を加えるものとなる。一方、既存の海外店舗について説明されている特徴と、バンコク1号店で具体的に提供される内容は、分けて確認したい。ブランド全体の方向性を理解することと、個店の仕様を把握することは同じではない。
海外への展開先について、CCCは将来的にミラノ、パリ、ロンドンといったヨーロッパの主要都市への進出も検討している。ただし、これらは検討段階にある。開業日と運営体制が示されたタイの計画とは、進捗の段階が異なる。
海外展開のニュースでは、候補地の広がりが注目されやすい。今回については、将来の欧州構想と、11月に始まるタイでのFC展開を切り分けると、当面の動きが明確になる。直近の焦点は、現地企業が運営するバンコク1号店だ。
日本のFCコミュニティが確認したい役割分担
今回の計画で具体的に示されたのは、CCCのブランド展開、CCCと双日のマレーシア合弁会社によるFC管理、アジア・ブックスによる店舗運営という関係だ。海外進出を検討する本部や事業者にとっては、出店先だけでなく、誰が管理し、誰が店舗を運営するのかに目を向ける材料となる。
自社の計画と比較するなら、ブランドの目的と運営体制を別々に整理するとよい。例えば、顧客に何を届けたいのかという方針と、その方針を店舗で実行する企業がどこかという確認は、異なる論点になる。CCCの発表では、日本文化を届けるという目的と、現地書店チェーンを運営主体に据える体制の両方が示された。
一方、この事例だけで他のブランドにも同じ展開方法が適しているとは判断できない。契約上の責任範囲、現地運営への支援内容、費用負担などは、自社が海外でFCを展開する際に個別に確認すべき項目となる。
実務上のポイント: 海外FCの計画を評価する際は、出店地やブランド名だけでなく、管理主体・運営主体・店舗の目的を整理したい。そのうえで、開業予定、将来構想、開業後の実績を区別して確認することが重要だ。



