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ビジネスのフランチャイズ化

既存事業のフランチャイズ化:店舗数・閉店実績を正確に集計する方法

加盟募集で示す店舗数は、数え方次第で事業の見え方が変わります。直営店と加盟店の区分、閉店・譲渡の記録、説明資料との照合まで、本部が整える実務を解説します。

公開日 2026/10/27

既存事業のフランチャイズ化:店舗数・閉店実績を正確に集計する方法

既存事業をフランチャイズ化するとき、成功店舗の紹介だけでなく、店舗の増減を説明できる記録が必要です。開店数が多くても、閉店や運営者の交代を見落とせば、加盟候補者は実態を判断できません。フランチャイズのコミュニティへの信頼を支えるために、本部が募集前から整えたい「店舗履歴の集計」に絞って解説します。

1. 店舗数を宣伝用の数字ではなく、説明責任のある記録にする

中小小売商業振興法第11条は、特定連鎖化事業を行う本部に対し、加盟しようとする者への契約締結前の書面交付と説明を義務付けています。中小企業庁が示す主な事前開示項目には、本部の財務状況などとともに、店舗数の推移が含まれます。

対象となるかは、単に「フランチャイズ」と名乗っているかでは決まりません。主として中小小売商業者を加盟店とし、定型的な契約に基づいて継続的な商品販売またはそのあっせんと経営指導を行い、特定の表示を使わせ、加盟時に金銭を徴収するという要件によって判断されます。小売・飲食の事業でも、契約の内容によって対象外となる場合があります。

また、公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」は、本部と加盟者の関係に独占禁止法が適用されることを示しています。加盟募集で実態より著しく有利だと誤認させる説明をしないことも重要です。法定開示の対象外だからといって、店舗実績を誇張してよいわけではありません。

以下の管理方法は、法定様式そのものではなく、正確な説明を支える社内実務の提案です。必要な開示期間や区分は、現行の施行規則に照らして別途確認してください。

2. 「一店舗」の数え方と基準日を固定する

まず、何を一店舗として数えるかを決めます。常設店、催事出店、間借り営業、配達専用拠点を無条件に足し合わせると、継続的に運営する店舗網の規模が分からなくなります。異なる営業形態は区分し、合計を示す場合も内訳を添えましょう。

集計台帳には、少なくとも次の項目を設けます。

  • 店舗ごとに固定する識別番号と所在地
  • 運営する法人・個人、および直営店・加盟店の区分
  • 開業日、営業終了日、休業開始日と再開日
  • 契約開始・終了、運営者変更、移転の履歴
  • 集計の基準日と、内容を確認した担当者

店舗名だけを識別に使うと、改称を新店と誤認したり、同名の別店舗を重複除外したりします。固定番号で履歴をつなぎ、移転前後の関係も残してください。

「契約済み」と「営業中」も分けます。契約を結んでも、物件や資金の事情で開業していない場合があります。出店予定を紹介すること自体ではなく、それを営業中の店舗数に混ぜることが問題です。募集資料には、基準日と集計範囲を併記します。

初めて加盟募集をする本部なら、加盟店実績がまだないことを明記します。直営店の運営年数や店舗数を、加盟店での再現実績に見せかけてはいけません。

3. 閉店・契約終了・運営者交代を別々に記録する

店舗の動きと契約の動きは一致しません。加盟契約が終了しても別の看板で営業を続ける店舗があります。一方、加盟者が別店舗を運営し続けながら、一つの店舗だけを閉めることもあります。

そこで、台帳には「店舗の営業状態」と「加盟契約の状態」を別の欄で持たせます。さらに、次のような出来事を混同しないようにします。

  • 閉店:その場所で対象店舗としての営業を終了した。
  • 一時休業:営業を止めているが、閉店とは確定していない。
  • 運営者交代:店舗は継続し、経営主体が変わった。
  • 直営・加盟の転換:営業は続くが、本部との関係が変わった。
  • 移転:営業場所が変わり、旧店舗と新店舗に連続性がある。

例えば、直営店を加盟者へ譲渡した場合、加盟店数は増えても店舗網全体は増えていません。「加盟店が増えた」という説明には、直営からの転換なのか、新規出店なのかを添えると実態が伝わります。

閉店理由には、確認済みの事実と当事者の申告を分けて記録します。「契約期間満了」は終了の形式であり、経営上の背景まで説明するものではありません。背景が未確認なら未確認とし、不振を移転や整理という表現で覆い隠さない運用が必要です。外部説明では、加盟者の個人情報や秘密情報への配慮も欠かせません。

4. 増減表を照合し、都合のよい比率を作らない

期間の始めと終わりの店舗数は、途中の増減によって説明できる状態にします。基本となる確認は、「期首店舗数に開店を加え、閉店を差し引くと期末店舗数になるか」です。直営・加盟の区分別に見る場合は、転換による増減も別欄で処理します。

移転や休業の扱いを変更すると、この関係が崩れることがあります。集計定義を途中で変えた場合は、過去分を同じ基準で再集計するか、比較できない部分と変更理由を注記してください。

照合先には、契約管理台帳、開業確認記録、請求記録、現場担当者の営業確認を使います。ただし、請求が止まったことだけで閉店とは判断できません。休業中の費用免除などもあり得るため、複数の記録で確認します。

「継続率」や「閉店率」を任意に掲載するなら、対象店舗、対象期間、分母、休業や譲渡の扱いを明示します。開業直後の店舗が多い集計と、長期間運営した店舗の集計は、そのまま比較できません。母数が少ない本部では、比率を強調するより、実数と経過期間を示した方が判断に役立つ場合があります。店舗が残っていることと、利益が出ていることも別です。

5. 募集資料に使う前に、数字の承認と更新を行う

集計した数字は、法定開示書面だけでなく、募集ページ、説明会資料、営業担当者の紹介資料でも一致させます。基準日が異なる資料が併存するなら、日付の違いが見て分かるようにしてください。

運用としては、店舗管理担当が履歴を更新し、契約管理担当が契約上の変動を確認し、募集資料の責任者が掲載を承認する流れが考えられます。一人で兼務する小規模本部でも、確認項目と承認日を残せば見落としを減らせます。

数字を訂正したときは、上書きだけで終わらせず、旧数値、訂正内容、理由、影響する資料を記録します。すでに説明を受けた加盟候補者への判断材料に影響する場合は、訂正版を渡して相違点を説明しましょう。「累計出店数」だけが残り、現在の営業店舗数が更新されない状態にも注意が必要です。

実務の要点: 加盟募集の前に、全店舗の履歴台帳と増減表を作り、直営・加盟、営業中・予定、閉店・契約終了を分けてください。店舗数を大きく見せるより、増減の理由を一貫して説明できることが、フランチャイズのコミュニティへの信頼につながります。

出典

  • 特定連鎖化事業(フランチャイズ)について | 中小企業庁 - 経済産業省
  • フランチャイズとは?仕組みやメリット・デメリット、始め方までわかりやすく解説 | Airレジ マガジン
  • フランチャイズチェーンによる事業展開 | 東京都港区虎ノ門
  • [PDF] フランチャイズ契約を締結する前に 事業や契約内容について確認 ...
  • 在日本开展特许经营业务的程序(作为被特许的经营者)
  • フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方
  • フランチャイズのビジネスで重要な3つの法律とは?【要確認】
  • www.franchise.org

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